ワインの女王 ボルドー


ボルドーはフランス南西部に位置し、大西洋へ注ぐ河口近くの港町として発展した主要都市です。
ボルドーといえばワインですが、ワイン産地は街を取り囲むように広がっています。その生産量は他の産地と比して群を抜いて多く、「世界で最も有名なワイン」であり、「ワインの女王」と称されています。
では、二千年にも及ぶ歴史を通じて作り上げられたボルドーワインの世界をのぞいて見ましょう。

フランス・アキテーヌ地方ボルドー

ボルドーの真ん中を、ドルドーニュ、ガロンヌとそれらが合流したジロンドという川が流れており、大西洋へと注いでいます。ワイン産地も川に沿ってメドック・グラーヴ・右岸などに分かれ、それぞれに個性の異なるワインを産しています。この川がボルドーワイン産地の土壌や微小気候(ミクロクリマ)に影響しているだけでなく、ワインの運搬にも重要でした。この川の存在は、ボルドーワインの発展に欠かせない地理的要素のひとつとなっています。

ボルドーのぶどう品種

ボルドーでは、複数のぶどうを混醸します。黒ぶどうではカベルネソーヴィニョンとメルローが、白ぶどうではソーヴィニョンブランとセミヨンが主要品種です。メドックではカベルネソーヴィニョン、右岸と総称されるサンテミリオンとポムロールではメルローが主体で、土壌や気候の違いから、同じボルドーでも違ったタイプのワインが造られています。また同じシャトーのワインでも、年によってブレンドの比率は異なります。

ボルドーワインの格付け

ボルドーでは、1855年、メドック地区シャトーの格付けが示されました。この際、最高ランクの第一級に格付けされたのが、

・シャトーラフィットロートシルト(AOCポイヤック)
・シャトーマルゴー(AOCマルゴー)
・シャトーラトゥール(AOCポイヤック)
・シャトーオーブリオン(AOCペサックレオニャン)

の4つ。オーブリオンはグラーヴのペサックレオニャンですので、メドックではありませんが、このとき特別に第一級に認定されました。 1973年、シャトームートンロートシルト(AOCポイヤック)が異例の昇格を認められ、これを含めて「ボルドー五大シャトー」と呼びます。

五大シャトーの中でもシャトー ラトゥールは一角を成し、世界で最も凝縮感のある豊かで、タニックなフルボディのワインのひとつと形容されます。

常に最高の品質、力強くタニックで荘厳なスタイル

【単品】シャトー ラトゥール 1999 750ml

【単品】シャトー ラトゥール 1999 750ml

濃密で複雑、バランスと見事な凝縮性を伴い、果実味豊かな個性的なヴィンテージといえます。タンニンはなめらかで、みずみずしさも備えており、余韻も長く続きます。

ボルドーは赤だけじゃない

「ボルドー色」といえば深い赤紫色を指すとおり、ボルドーといえば赤ワインが多いのは当然ですが、ボルドーの中でもグラーヴや、2つの川の中州にあたるアントルドゥーメールは、ソーヴィニョン種やセミヨン種を中心にした白ワインの産地です。軽やかでさわかやなものから、樽香を感じるボディのあるものまで、さまざまなタイプがあります。
また、同じボルドーのセミヨンやソーヴィニョンでも、ソーテルヌやバルザックは極甘口ワインが造られています。これは貴腐ワインと呼ばれる特別なものです。
わずかですがロゼワインも造られており、ボルドーワインの多彩さがお分かりいただけるでしょう。

軽やかな口あたりの辛口ワイン

【単品】イヴクール ボルドー ソーヴィニヨン 750ml

【単品】イヴクール ボルドー ソーヴィニヨン 750ml

淡く輝きのある麦わら色。丸みがあり、フルーティな味わいのバランスのとれたボルドー産白ワインです。柑橘系や白桃のアロマが豊かに広がり、果実の風味と共に素晴らしい味わいと余韻をもたらします。軽やかな辛口のボルドーソーヴィニョンは、日本の家庭料理にも合わせやすいです。

ボルドーの酒蔵名でよく耳にする「シャトー」とは、本来フランス語で「お城」を意味します。ボルドーの「シャトー」は、醸造や貯蔵、中には貯蔵樽の製造所などの諸施設とぶどう畑とで構成されており、従来的なワイン醸造所です。それでありながらも、多くのシャトーはまるでおとぎ話のお城のような美しい外観をしているので、街の景観でも特別な地といえます。
ボルドーというと高級なイメージがあるかもしれませんが、日常的に取り入れやすいワインもたくさんあります。今回は産地の概要のお話しでしたが、これからもさまざまなボルドーの魅力を発信していきます。どうぞご期待ください。

注意:お酒は二十歳になってから。

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