カン・ブラウ 2018年 セラーズ・カン・ブラウ 750ml （スペイン 赤ワイン）

カン・ブラウ 2018年 セラーズ・カン・ブラウ 750ml （スペイン 赤ワイン）

CAN BLAU [2018] D.O Montsant Cellers Can Blau

フミーリャに拠点を置き、スペイン各地に9つのボデガを展開するヒルファミリーエステーツがカタルーニャのDOモンサンのエリア内で展開するワイナリーで2003年設立。セラーズカンブラウの名称はカタルーニャ語で「can＝家」、「blau＝青」を意味し、光を受けたモンサンの土壌が青く見えた事が由来です。カンブラウはDOモンサンの南西部エル・モラール村にあります。興味深いのがエル・モラール村は二つのDOをまたいでいる特殊な村であるという事です。一つはモンサン、そしてもう一つはスペイン屈指の高級ワイン産地プリオラートです。実際カンブラウのワイナリーから500m離れただけでプリオラートの生産エリアになります。モンサンの土壌は非常に入り組んでおり、とても複雑です。カンブラウが所有する畑の土壌はプリオラートに似ているスレート区画もありますが、チョークと粘土質の区画が多く、粘土質土壌は他地域よりも鉄分が多いためカリニェナの栽培に適しています。土壌が入り組んでいるため、畑を購入する際には「畑に精通した人物がとても重要である」と当主のミゲル・ヒル。モンサンでは白ワイン用にマカベオ、ガルナッチャ・ブランカ、シャルドネ、赤はガルナッチャ、シラーが主流で、近年はメルロも人気が出ていますが、カンブラウではカリニェナ、ガルナッチャ、シラーのみを栽培してます。

このワイナリーで指揮を執るのは女性ワインメーカー、ノリア・ロペス・サロカです。スペイン国内のワイン醸造学校として最も歴史のあるタラゴナ大学を卒業後、アメリカやチリなどニューワールドで経験を積み、2005年にこの地域にきました。農協などでの経験を経て、2012年からカンブラウで働いています。前述通り、この地でワインを造るためには複雑に入り組んだ土壌を理解し、どこにどんな品種を植えるか考えなくてはなりませんが、その点彼女はこの地を深く理解しており、ミゲル・ヒルからも厚く信頼されています。ヒルファミリーの基礎に彼女の哲学が加わる事で、カンブラウのエレガントで複雑さのあるスタイルが形成されています。よく比較されるプリオラートとの違いですが、ノリア曰く「プリオラートは花の核（中心）の部分、より集約されており力強い。モンサンハ花の萼（ガク）の部分、華やかでエレガント、多様さがある」とのこと。

合計35haの畑を所有しており、複数の区画に分かれています。土壌はチョークと粘土が多い区画とプリオラートに似ている粘板岩（スレート）の区画があります。前者にはカリニェナの栽培に、後者はガルナッチャの栽培に適しています。ワイナリーが海抜230mに位置し、その周りに広がる標高160m～250mの畑でカリニェナを栽培、ガルナッチャは標高500m～800mに広がる畑で栽培しています。また自社畑の葡萄の他に近隣の農家からもぶどうを購入しています。地中海性気候と大陸性気候の両方の影響を受ける為、寒暖の差が激しい地域です。

カン・ブラウ 2018年 セラーズ・カン・ブラウ
カンは、カタルーニャ語で「家」の意味。収量は1ha当たり9トン、植密度は4,000本/haです。ガルナッチャは、コルヌデラ　デ　モンサン（Cornudella de Monsant）のスレート土壌、カリニェナはダルモとマスロッチ（Masroig）のエリアにある粘土質土壌、シラーは石灰岩質土壌の畑です。手摘みで収穫した葡萄は、ステンレスタンクに入れ、25度以下にコントロールしながら発酵、ポンピングオーバーを行います。マロラクティック発酵はフレンチオークで行い、熟成はフレンチオークの樽（新樽～3年樽）で約12ヶ月行います。ノンファイニング、珪藻土フィルターを軽く通してボトリングします。
ブラックチェリーやプラム、ラベンダー、お香を思わせる華やかなアロマの中にスパイスや樽のスモークのニュアンスが混ざります。口当たりはまろやかで、深みがあり長い余韻が感じられます。