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運命の子 トリソミー 完全版 /松永正訓

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≪商品情報≫

著者名:松永正訓
出版社名:小学館
発行年月:2024年12月
判型:文庫
ISBN:9784094074161


≪内容情報≫

障害者受容の在り方を問う小児外科医の記録

人間の生命は、両親から一本ずつ染色体を受け継ぎ誕生しますが、染色体が三本に増えている病気がトリソミーです。異常のある染色体の番号により、「13トリソミー」「18トリソミー」「21トリソミー(別称・ダウン症)」などがあります。13トリソミーの赤ちゃんは心臓の奇形や脳の発達障害があるため、半数が1か月ほどで、ほとんどが1歳までに亡くなってしまいます。本書は、小児外科医である著者が「地元の主治医として13トリソミーの赤ちゃんの面倒をみてほしい」と近隣の総合病院から依頼され、朝陽(あさひ)君とその両親に出会うところから始まります。朝陽君の両親は我が子を受け容れ、自宅へ連れて帰り、愛情を注ぎます。そして、障害児を授かったことの意味を懸命に探ります。著者は朝陽君の自宅への訪問を繰り返し、家族と対話を重ねます。また、そのほかの重度障害児の家庭も訪れ、「障害児を受容する」とはどういうことかを考えます。やがて、朝陽君の母親は、朝陽君が「家族にとっての幸福の意味」を教えてくれる『運命の子』であることに気づきます。出生前診断の是非が問われる中、本書は「命を選ぼうとする考え方」に大きな一石を投じる一冊です。

【編集担当からのおすすめ情報】
2013年度 第20回小学館ノンフィクション大賞・大賞受賞作品です。
著者は現役小児外科医・松永正訓さんで、開業医として診療活動を行うかたわら、命の尊厳をテーマとし、取材・執筆活動を続けています。
また、がんを克服した子どもたちの支援も行っています。
本書では、染色体の異常「トリソミー」の乳児およびその家族と松永さんの交流が丁寧に描かれています(文庫化にあたって、文庫本のための最終章「それから一年を過ぎて」が加筆されました)。
出生前診断の広まりにより、ともすれば「命を選ぶ」という考え方も生じます。本書はそうした考え方に大きな一石を投じます。

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