11/23 時点_ポイント最大11倍

バットマンの死 ポスト9.11のアメリカ社会とスーパーヒーロー /遠藤徹

販売価格
2,640
(税込)
出荷目安:
1~2営業日で出荷
たまるdポイント(通常) 24

+キャンペーンポイント(期間・用途限定) 最大10倍

※たまるdポイントはポイント支払を除く商品代金(税抜)の1%です。

表示倍率は各キャンペーンの適用条件を全て満たした場合の最大倍率です。
各キャンペーンの適用状況によっては、ポイントの進呈数・付与倍率が最大倍率より少なくなる場合がございます。
dカードでお支払ならポイント3倍

  • 商品情報
  • レビュー
≪商品情報≫

著者名:遠藤徹
出版社名:新評論
発行年月:2018年06月
判型:B6
ISBN:9784794810908


≪内容情報≫

映画『バットマン ビギンズ』(クリストファー・ノーラン監督による〈ダークナイト・トリロジー〉の第一作)では、バットマンことブルース・ウェインが、幼いころ目の前で両親を殺された体験が描かれる。理不尽な暴力によって大切なものをいきなり奪われてしまったのである。この体験がもとでウェインは、突然両親がいなくなるという虚無感、犯人が別の事件で死亡したことによる怒りの対象の喪失といった、解消しようのない苦悩、あるいは衝動を抱え込むことになる。
そうした内部に鬱積した「向けるべき対象」のない苦悩、あるいは衝動を解放する手段として選ばれたのが、かつて自分を恐怖させたコウモリという表象へと自らを置き換える、あるいは分裂させることだった。かくして“暗鬱なヒーロー”バットマンが誕生する。
他の選択肢がなかったという意味で、バットマンは呪われているともいえる。だから、彼の物語にはスーパーマンのような能天気さはない。なぜなら、バットマンとは、内なる苦悩、あるいは衝動を解放するための経路にすぎないのであり、極端にいえば自分が「正義」を行っているかどうかはもはや関係ないからである。
そのことは、ポスト9・11のアメリカ社会の状況とみごとにリンクしているのではないだろうか? 突如襲いかかってきた無差別テロという理不尽な暴力。これに対し、アメリカは即座に自らを「被害者」と位置付けた。そして、国民の抱えこんだ恐怖や苦悩、あるいは「向けるべき対象」の見えない衝動を、明確な「加害者」の幻像を捏造することによって解放した。それが対テロ戦争だったと読むこともできるように思われる。
それは、苦悩せる呪われたヒーロー像が、苦悩せる呪われた国家の隠喩となった瞬間だったのではないだろうか。(えんどう・とおる)

バットマンの死 ポスト9.11のアメリカ社会とスーパーヒーロー /遠藤徹のレビュー

投稿されたレビューは0件です。

この商品のカテゴリ

同カテゴリのおすすめ商品

別カテゴリのおすすめ商品

関連商品