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母と娘。それでも生きることにした /黒川祥子

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≪商品情報≫

著者名:黒川祥子
出版社名:集英社インターナショナル
発行年月:2025年02月
判型:四六判
ISBN:9784797674576


≪内容情報≫

「死ぬなら今だよ! ママも一緒に死ぬよ」母はアクセルを思い切り踏み込んだ…
生きているのが奇跡と思えるほどの過酷な現実。それでも母と娘は、生きることを選んだ。
開高健ノンフィクション賞受賞作『誕生日を知らない女の子』から12年。
運命の母娘を追い続けた衝撃のノンフィクション。

(本文)
母・沙織は生まれてすぐ、山奥の寺に兄とともに預けられ、両親は死んだと伝えられていた。
小学校を卒業する頃に、突然、父親が現れ、父親、継母、兄との新しい生活が始まる。
それは、真の地獄の始まりだった。継母からは日常的になじられ、言葉の暴力を受ける。高校生の頃、実の父親からレイプされる――。
沙織は、20代で死ぬことを、人生の目標にしようと心に決める。

沙織の娘・夢には、母から暴力を受けた記憶がない。ただ、「おまえは最悪だ、生まれてこなければよかったのに」と、何度も繰り返し言われる。
「ママの中に、何人かの人格がいる」と娘は感じている。すごく優しいママ、突然スイッチが入って、怒りを爆発させるママ。いつスイッチが切り替わるか、わからない。
娘にとって、小学生の頃から、「家の中で安心できるのは、トイレだけ」だった。
中学2年生の頃、娘は「2年後に死ぬ」と決めた。ずっと「死にたい、死にたい」と思い続けた――。

互いに行違う母と娘の心情を個別に聞き取り、それぞれの心の叫びを綴ったモノローグ。

<目次>
序章 里子村
第一章 お父さん、お母さんって、何?
第二章 劇団家族――沙織
第三章 結婚──沙織
第四章 母になる──沙織
第五章 安心できるのはトイレだけ──夢
第六章 離婚という嵐──沙織
第七章 殺しちゃう前に、死んでくれ──夢
第八章 変わらずに、愛してくれるから──夢
第九章 親と子ではなく、人と人として──沙織
断章 自分がなんとかしてあげたい──滝川惇
終章 ゴールのない物語

黒川祥子(くろかわしょうこ)
1959年、福島県生まれ。ノンフィクション作家。東京女子大学文理学部卒業後、弁護士秘書、ヤクルトレディ、業界紙記者などを経てフリーランスとなり、社会課題や家族の問題を中心に執筆活動を行っている。2013年、『誕生日を知らない女の子 虐待――その後の子どもたち』で第11回開高健ノンフィクション賞受賞。著書に『県立! 再チャレンジ高校』(講談社現代新書)、『8050問題』『心の除染』(集英社文庫)、『シングルマザー、その後』(集英社新書)など多数。

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