歴史データで読み解く 杉並の鉄道 /中村建治(鉄道)

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≪商品情報≫

著者名:中村建治(鉄道)
出版社名:フォト・パブリッシング
発行年月:2024年12月
判型:A5
ISBN:9784802135009


≪内容情報≫

鉄道が我が国に初めて登場したのは、今から約150年前の1872(明治5)年10月、新橋~横浜間のことでした。現在の杉並区域を含む「多摩郡」が7か月ぶりに神奈川県から東京府に戻った年です。鉄道が杉並区域に乗り入れるのはそれから17年後の1889(明治22)年4 月、新宿~立川間で開業した私鉄の「甲武鉄道」(現・JR中央線)です。偶然にも旧20村を合併させて、杉並・井荻・高井戸・和田堀内の4か村が発足した年でした。
甲武鉄道開業から2年半後には荻窪駅が設置され、鉄道が少しずつ人々の身近な交通機関となって行きます。同鉄道は1906(明治39)年10月に国有化されて鉄道庁経営の「中央線」となり、約100年前の1922(大正11)年7月には高円寺・阿佐ケ谷・西荻窪駅が開設されます。
駅が増え列車の本数も増えてくると、中央線沿線の人口が一気に増えてきます。戦後の高度成長期には「日本一のラッシュアワー路線」として、通勤・通学客を乗せた寿司詰め状態の電車が走ります。身長が高くない自分(著者)は、通学時等には息もできないような車内に押し込まれ、随分と苦痛を味わされました。その中央線も1987(昭和62)年4月に国有鉄道からJR東日本(東日本旅客鉄道)へと経営が変わり、ラッシュも緩和されてサービスも向上しているようです。
私鉄に目を転じてみますと、現在では大正時代開業の京王電鉄京王線と昭和初期の西武鉄道新宿線、京王井の頭線、そして戦後に登場した地下鉄丸ノ内線の4 路線が区内を走っています。一時は大正時代に開業した「西武軌道線」を引き継いだ路面電車「都電杉並線」もあり、中央線を加えると6路線が区民の足として活躍していました。その後に都電が廃止されたため、現在では5路線の運行となっていますが、郊外の1つの自治体にこれだけの数多い路線が走るのは珍しいことです。5路線とともに区内を縦横に走るバス便も加えて、交通の利便性は杉並で生活するうえでの大きな魅力となっているようです。
本書では、こうした経緯を経て、区民の足として活躍する区内の鉄道のうぶ声時代や廃止された路線、未完成に終わった路線を、古写真・古地図・路線図・鉄道文書・新聞記事等の資料をひもときながら、その歴史を辿ってみました。

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