近代日本の思想変動と浄土真宗 教化・連帯・転向 /佐々木政文

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≪商品情報≫

著者名:佐々木政文
出版社名:法蔵館
発行年月:2023年07月
判型:A5
ISBN:9784831855794


≪内容情報≫

一九二〇年代前後、「国家」に対する信頼や関心が低下し、代わって「社会」とその構成員である「大衆」が意識されるようになった。この思想史学上「社会の発見」と呼ばれる思想変動前後の日本で、浄土真宗が国民統合に果たした社会的役割とは、具体的に何か。

浄土真宗教団が独占的に関与し得た部落問題と「思想問題」という二つの問題領域に着目し、そのなかで展開された同教団による社会事業の実態を精緻に分析。浄土真宗教団が政策と運動の中間で両者の直接衝突を回避させる思想的緩衝材としての役割を担っていた事実を明らかにすると同時に、浄土真宗が国家神道の補完物として当時の国民統制を辛うじて成立させていたことを、あわせて指摘する。

浄土真宗教団による社会事業の意義を、教団史的な枠組みと理解から解放し、より広い視点から問い直した意欲作。

【目次】
序 章 社会思想史研究の対象としての浄土真宗

第Ⅰ部 一九一〇年代の部落改善/融和政策と浄土真宗
第一章 奈良県における民衆教化政策と被差別部落
第二章 融和政策における宗教活用論の成立
第三章 貯蓄/浄財観から見た全国水平社創立の背景

第Ⅱ部 一九二〇年代における社会事業の成立と浄土真宗
第四章 大谷派融和運動の成立と人格主義思想
第五章 本願寺派融和運動の成立と関東大震災

第Ⅲ部 一九三〇年代の治安維持法運用と浄土真宗
第六章 浄土真宗教団における転向強制の論理
第七章 司法省の転向誘発政策と知的情報統制
第八章 転向者の浄土真宗信仰

終 章 浄土真宗思想と近代日本社会

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