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居家以人骨の研究 2 /谷口康浩 石谷孔司 植田信太郎

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≪商品情報≫

著者名:谷口康浩、石谷孔司、植田信太郎
出版社名:六一書房
発行年月:2026年02月
判型:A4
ISBN:9784864451949


≪内容情報≫

約1万年前を境として定住化や農耕開始といった画期的変化が世界各地で多発的に起こり始め、人口増加と社会複雑化が加速していく現象がみられる。更新世最終氷期に拡散した旧石器文化の時代が終わり、温暖な完新世に移行して新石器時代が始まる頃に生じた、人類史上の大転換である。先史時代の日本列島も例外ではなく、縄文文化の成立とともに定住化が進み社会・文化が次第に複雑化していった。
縄文文化の持続的発展は、人口の再生産と文化の継承発展を可能とする安定した社会組織が無ければ決して実現しなかったであろう。とりわけ社会の最も基礎的な単位である家族と婚姻制度、そしてより大きな血縁集団とその組織原理となる出自などの文化制度が、社会の安定に不可欠であったと考えられる。また、葬制や祖先に関わる儀礼祭祀も、血縁社会の同族意識や社会的紐帯を高める重要な機能を担っていたと推定される。
先史時代の人間社会を科学的方法により実証的に復元しようとする研究は始まったばかりであり、考古学と人類学の連携による骨考古学の挑戦が始まっている。日本列島の人類集団の母体となった縄文人についても、「原始共同体」という古いイメージを払拭し、縄文人骨と葬制の分析に基づいて縄文社会の実像を科学的、実証的に解明しようとする新たな研究が進められるようになった。
2014年に開始した群馬県居家以岩陰遺跡の学術発掘調査では、これまでに40個体以上の縄文早期人骨(約8100 ~ 8600年前)が出土しており、縄文文化形成期の半定住的な狩猟採集民社会に関する集団データが得られている。また、遺体切断をともなう特異な埋葬様式など、葬制に関する新知見でも注目を集めている。さらに、人骨のDNA分析でも重要な研究成果が得られており、ミトコンドリアゲノム全長配列に基づく各個体のハプロタイプや核ゲノムの解析から、個体間の血縁関係や遺伝的多様性などの集団構成が突き止められつつある。
本研究では、初期定住段階にある縄文時代早期に焦点を当て、居家以人骨から得られる質の高い人類学的・考古学的情報と骨考古学の先端技術によって、縄文早期人の社会組織の復元という挑戦的課題に取り組む。
世界的にみても、8000年以上前の集団データを用いた社会構造の研究例は見出せず、初期定住社会の実像に迫る先駆的な探究でもある。

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