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脳の中の美術館 ヒトの絵画の5万年 /布施英利

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≪商品情報≫

著者名:布施英利
出版社名:海鳴社
発行年月:2025年11月
判型:A5
ISBN:9784875253655


≪内容情報≫

『脳の中の美術館』を最初に出版したのは、著者が二十八歳のとき、1988年のことだった。若き日の、粗削りながらもみずみずしい思索の息づく作品である。それから四十年近くの歳月を経て、著者は自らのテーマを成熟させ、今ふたたび「脳」と「美術」の関係を問い直すに至った。
本書は、その原点となる著書を軸に、養老孟司先生との出会い、そして近年、息子であり若き作家でもある琳太郎との対話――いわば世代を超えたコミュニケーションツールとしての美術論――へと展開していく、著者の探究の軌跡である。

この本のテーマは一貫して、「ヒトの脳は五万年前から変わっていない」という視点にある。解剖学の立場から見れば、現代人の脳はクロマニョン人のそれと本質的に変わらない。ゆえに、私たちがつくり出す芸術もまた、常に「現在の脳」の働きの中にある。『脳の中の美術館』とは、まさに人類の脳の記憶の中にひらかれた、美のアーカイブなのである。

本書は三部構成となっている。
第Ⅰ部は、著者が二十八歳の時に書いた原典『脳の中の美術館』(筑摩書房)をもとに再構成したもの。人間の「見る」という行為を、脳と身体のレベルから考察し、美術を「人体の表現装置」として読み解く。そこには、若き日の著者が直感的に掴んでいた「ヒトの芸術の原点」が脈打っている。

第Ⅱ部では、恩師・養老孟司先生の思想を通して、「ヒトとは何か」「脳とは何か」を探る。養老先生がよく口にする「われわれ」という言葉は、実は「クロマニョン人以降のヒト」を指しているという。五万年前から変わらない「われわれ」の脳を手がかりに、人間という存在の輪郭を浮かび上がらせる。著者にとって養老先生との対話は、思索の出発点であり続けている。

第Ⅲ部では、著者が息子・琳太郎とともに訪れたヨーロッパの旅を通じて、「描く」という人間の根源的な衝動を辿る。洞窟壁画やルネサンスの絵画を前に、五万年の脳の記憶がどのように現代のアートへと連なっているのかを見つめ直す。

生命進化の「五億年」を扱った『からだの中の美術館』(光文社)に対し、本書が焦点を当てるのは、「ヒトの誕生からの五万年」である。五万年という時間を貫く、人類の脳と美術の共鳴。その長い時間のなかで、私たちは何を見、何を描いてきたのか――。
若き日の情熱と円熟した思索、そして世代を越えた感性の対話が織りなす、壮大な「ヒトの美術史の物語」である。

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