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いま、私たちは幸せに生きているのか 貝原益軒が語る、新・幸福論 /立元幸治
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- 商品情報
- レビュー
≪商品情報≫
著者名:立元幸治
出版社名:展望社(文京区)
発行年月:2024年05月
判型:四六判
ISBN:9784885464430
≪内容情報≫
前文 ≪益軒先生から読者のみなさまへ≫ より
初めまして、貝原益軒と申します。
いかがお過ごしですか。
私は九州福岡の黒田藩の儒者として長く仕官いたしました。生涯、多くの著作を残しましたが、そのなかで『養生訓』などが今でも読み継がれ、著者としては望外の喜びであります。幸い八十歳をはるかに超える、当時としては稀な長寿に恵まれ、正徳四年(一七一四)に鬼籍にはいりました。
それから三百年以上経って私が、こうして令和の世にのこのこ出てまいりましたのは、本書の刊行に際し求められて一言挨拶したいという思いに至ったからです。今更ながらという、いささかのためらいを感じながらも、この国のありようや人々の生き様を見ながら、私が本当に言いたかったことを少しでもお伝えできればと思い、お言葉に甘えて出てきた次第です。
この国の平均寿命はどんどん伸びています。人々は私の時代には考えられなかったほどの長い「午後の人生」を生きることになります。しかし、長寿がそのまま幸せな人生につながるのか、安易な断定はできません。長くなった人生の時間をほんとうの楽しみの時間とするためには、誰にも邪魔されない、惑わされない、ほんとうの自分の時間とすることが大きな前提となるように思います。
(著者はじめにより)
この国の昨今のメディアの論調には、タイパ(タイムパフォーマンス、時間効率)という言葉が目立ちます。スマホやSNSの普及、映画やドラマなどの倍速視聴はその一例です。諸調査でも、多くの人が“時間に追われている”と答えています。
そんな時代だからこそ、急がず、立ち止まり、自分の時間を大切にしたいと思うのです。 では、いま、なぜ益軒なのか。
益軒は一般に、健康長寿のための禁欲の生活を語った人と考えられていますが、実はそうではなく、むしろ人生をいかに楽しむのかを説いた人生の達人であったのです。
では、その「楽しみの人生」とは何なのか、『養生訓』はもちろん、『楽訓』『大和俗訓』を含め、幅広い益軒の著作を紐解きながら、具体的に語っていくことにしましょう。それは、単に益軒の言葉をなぞるのではなく、そこから現代人に語られるメッセ-ジを読み解くことです。そのために、益軒の言葉だけではなく、それと響きあう古今の異才たちの言葉や新聞の投書などにも触れながら、考察を深めていくことにしました。
たとえば吉田兼好、良寛、橘曙覧、神沢杜口、佐藤一斎、西郷隆盛、斎藤茂吉、山口瞳、阿久悠、加島祥造、黒井千次、帯津良一、野口晴哉、安保徹、小浜逸郎、種田山頭火、辰巳芳子、多田富雄、河合隼雄、立川昭二、瀬戸内寂聴、常盤新平、山田洋次、セネカ、H・D・ソロー、アリアナ・ハフィントン(米、ジャーナリスト)、タル・ベン・シャ-(米、心理学者)、ホセ・ムヒカ(前ウルグアイ大統領、“世界で一番貧しい大統領”と呼ばれた)など、様々な人物が登場します。彼らと益軒とのコラボも楽しんでいただきたいと思います。
著者名:立元幸治
出版社名:展望社(文京区)
発行年月:2024年05月
判型:四六判
ISBN:9784885464430
≪内容情報≫
前文 ≪益軒先生から読者のみなさまへ≫ より
初めまして、貝原益軒と申します。
いかがお過ごしですか。
私は九州福岡の黒田藩の儒者として長く仕官いたしました。生涯、多くの著作を残しましたが、そのなかで『養生訓』などが今でも読み継がれ、著者としては望外の喜びであります。幸い八十歳をはるかに超える、当時としては稀な長寿に恵まれ、正徳四年(一七一四)に鬼籍にはいりました。
それから三百年以上経って私が、こうして令和の世にのこのこ出てまいりましたのは、本書の刊行に際し求められて一言挨拶したいという思いに至ったからです。今更ながらという、いささかのためらいを感じながらも、この国のありようや人々の生き様を見ながら、私が本当に言いたかったことを少しでもお伝えできればと思い、お言葉に甘えて出てきた次第です。
この国の平均寿命はどんどん伸びています。人々は私の時代には考えられなかったほどの長い「午後の人生」を生きることになります。しかし、長寿がそのまま幸せな人生につながるのか、安易な断定はできません。長くなった人生の時間をほんとうの楽しみの時間とするためには、誰にも邪魔されない、惑わされない、ほんとうの自分の時間とすることが大きな前提となるように思います。
(著者はじめにより)
この国の昨今のメディアの論調には、タイパ(タイムパフォーマンス、時間効率)という言葉が目立ちます。スマホやSNSの普及、映画やドラマなどの倍速視聴はその一例です。諸調査でも、多くの人が“時間に追われている”と答えています。
そんな時代だからこそ、急がず、立ち止まり、自分の時間を大切にしたいと思うのです。 では、いま、なぜ益軒なのか。
益軒は一般に、健康長寿のための禁欲の生活を語った人と考えられていますが、実はそうではなく、むしろ人生をいかに楽しむのかを説いた人生の達人であったのです。
では、その「楽しみの人生」とは何なのか、『養生訓』はもちろん、『楽訓』『大和俗訓』を含め、幅広い益軒の著作を紐解きながら、具体的に語っていくことにしましょう。それは、単に益軒の言葉をなぞるのではなく、そこから現代人に語られるメッセ-ジを読み解くことです。そのために、益軒の言葉だけではなく、それと響きあう古今の異才たちの言葉や新聞の投書などにも触れながら、考察を深めていくことにしました。
たとえば吉田兼好、良寛、橘曙覧、神沢杜口、佐藤一斎、西郷隆盛、斎藤茂吉、山口瞳、阿久悠、加島祥造、黒井千次、帯津良一、野口晴哉、安保徹、小浜逸郎、種田山頭火、辰巳芳子、多田富雄、河合隼雄、立川昭二、瀬戸内寂聴、常盤新平、山田洋次、セネカ、H・D・ソロー、アリアナ・ハフィントン(米、ジャーナリスト)、タル・ベン・シャ-(米、心理学者)、ホセ・ムヒカ(前ウルグアイ大統領、“世界で一番貧しい大統領”と呼ばれた)など、様々な人物が登場します。彼らと益軒とのコラボも楽しんでいただきたいと思います。