ムートン・カデ ルージュ 2020年 バロン・フィリップ・ド・ロートシルト社 750ml （フランス ボルドー 赤ワイン）

ムートン・カデ ルージュ 2020年 バロン・フィリップ・ド・ロートシルト社 750ml （フランス ボルドー 赤ワイン）

Mouton Cadet Rouge [2020] Baron Philippe de Rothschild

「ムートン・カデ」の生みの親であるフィリップ・ドゥ・ロスシルド男爵は、伝統を重んじる心と革新の精神、そして誰にも負けないワインづくりへの情熱を兼ね備えた、ワイン界の歴史に名を残す人物です。世に世界恐慌の風が吹き荒れた1930年、20代を迎えたばかりだった男爵は、不況の中でも多くの人が楽しめる、高品質でありながらも手頃な価格のワインをつくろうと決心しました。そして試行錯誤と努力の結果に生まれたのが、5大シャトーのひとつシャトー・ムートン・ロスシルド初のセカンドワイン「ムートン・カデ（フランス語で“ムートンの末っ子”の意）」でした。

「ムートン・カデ」が生まれる以前は、セカンドワイン、そしてブランドワインというカテゴリーは存在しておらず、このワインの誕生は、当時の人々を驚かせました。また1930年のフランスは、裕福な層が楽しむ高級なシャトーワインと、一般層が飲むテーブルワインの2種類のワインしかない時代。「ムートン・カデ」は、この2つの層の真ん中の中流階級にターゲットを絞り、高価なシャトーワインは購入できないが、テーブルワインでは満足できないといった人々のための良質なワインとして世にリリースされました。つまり男爵は、オートクチュール（＝シャトー・ムートン・ロスシルド）とプレタポルテ（＝ムートン・カデ）という画期的なアイディアを誰よりも早くワインの世界に持ち込んだ人物だったのです。

「ムートン・カデ」は発売後、瞬く間に当時のフランスの大都市で大好評となり、主要なレストランで採用されていきました。そしてその後の世界的なワインブームに乗り、欧米、アジアなどで次々と国際デビューを果たし、現在では、世界150カ国以上で販売されているベストセラーワイン、またボルドーを代表するワインのアンバサダー（大使）として、高い注目と人気を集めています。一方こうした現在の「ムートン・カデ」の立役者となったのは、男爵の娘であるフィリピーヌ。彼女は男爵の精神の情熱を受け継ぎ、バロン・フィリップ・ドゥ・ロスシルド社の経営者となり、2004年には、「ムートン・カデ」を現代人の好みに合う、より果実味が深く、ふくよかで表情豊かなワインへと変化させるなど、精力的なワインづくりを行っています。さらに彼女の様々な活動により「ムートン・カデ」は、一段と名声を高め、カンヌ国際映画祭、ロラン・ガロス全仏テニス、ランコムトロフィー（ゴルフ）、パリ国立オペラ劇場など、世界的な文化・スポーツイベントや団体のオフィシャルワインにもなっています。

ムートン・カデ ルージュ 2020年
誕生から80年以上経ち、より味わいもさらに美味しく、ラベルも一新して生まれ変わったムートン・カデ。3年もの歳月をかけてリニューアルされた新しいムートン・カデは、今までよりさらに高品質なブドウを使用。高品質なコート・ド・ボルドー産の比率が45％へとアップ！熟成期間（リニューアル以前は12ヶ月でしたが18ヶ月へ変更）も長くなり、一部樽熟成。バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルドの契約農家のブドウを超厳選。メルロー84％、カベルネ・ソーヴィニヨン10％、カベルネ・フラン6％。

外観はやや深みのあるルビーレッドの色調。熟したカシスやブルーベリー、ブラックチェリーなど黒系果実の甘いアロマ。口当たりは非常にスムースで、シルクを想わせる滑らかな舌触り。適度なミネラルと心地よい酸が感じられる。フレッシュ感はありつつもアロマと同様に濃密な果実味と、柔らかく熟した緻密なタンニンが溶け合った魅惑的な味わい。余韻は長く、リッチでエレガントな洗練されたスタイル。