中世王朝物語全集 18 /塩田公子

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≪商品情報≫

著者名:塩田公子
出版社名:笠間書院
発行年月:2021年03月
判型:A5
ISBN:9784305400987


≪内容情報≫

院は女二の宮を権大納言に託すが、権大納言はこの結婚に気乗りせず、三の君に執心し逢瀬をもつ。帝は三の君の入内を要請、三の君は権大納言の子供を宿したまま帝に召される。三の君(梅壺女御)は皇子を産むが、恐れ悩み、権大納言の死去の後、出家してしまう。権大納言から夢で託された巻物を読んだ吉野の阿闍梨は悩んだ末、梅壺の産んだ三の皇子に事実を告げることになる。

権大納言と三の君の悲恋を軸としながら、多数の人物の複雑な人間関係と、継子いじめや流罪、住吉明神の加護、自死や入水など、中世的なさまざまな挿話が絡み合う、中世王朝物語屈指の長編の、初の注釈・現代語訳である。

本書の底本には、唯一の伝本である「蓬左文庫」所蔵の6巻6冊の写本を用いて、校訂本文を作成した。



○目次

凡例



巻五 本文 注 頭注

巻六 本文 注 頭注



系図、年立、梗概、解題、校訂一覧、作中和歌一覧、引歌・参考歌一覧、登場人物紹介



○前書きなど

刊行に際して

院政期から鎌倉時代の間に成った王朝物語は、『松浦宮物語』『石清水物語』『有明の別』その他、現存作品だけでも二十八部の多きに達するにかかわらず、最近まで一様に「擬古物語」という称を与えられて、ひたすら平安朝物語の模倣作とされ、読むに値しないものと見なされてきた。従って、大部分はごく少部数の原典の翻字があるのみで、現代語訳もほとんど刊行されていないのが現状である。

その結果、それらが一般の読者にまったく読まれなかったのはやむを得なかったとしても、専門の研究者ですら、この時期の物語の文体には特異な語彙や語法があるという点もあって、右のような常識に甘んじて、自ら作品を読み、研究を進める姿勢が乏しかった嫌いがあるように思われる。

これらの作品がこうしてひとしなみに継子扱いを受けてきた最大の理由は、作品の内容にあるのではなく、現代語訳がほとんど無かったという事実に由来するのである。

もし、今、それぞれに読みやすい本文を立て、現代語訳を添えることが出来れば、これらの作品の面目は、世上俄に一新され、その評価にも再検討が加えられるに違いない〓〓〓我々は、数年以前から期せずして、この一致した見解の元に準備を重ね、同志を糾合して、「中世王朝物語研究会」を組織し、市古貞次・三角洋一編『鎌倉時代物語集成』七巻の本文の完結に引き続いて、ここに本全集を刊行することにした。日本文学史の数少ない盲点の一つが、この全集によって明らかにされ、それが広く読まれることで、その評価も見直される日の近いであろうことを期して疑わない。ここに、江湖諸賢のご支援を切に望むものである。

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