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統計的思考 再現性の危機を超えて/RussellA.Poldrack/神谷之康

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RussellA.Poldrack神谷之康
朝倉書店
ISBN:4254123086/9784254123081
発売日:2025年11月



※商品画像はイメージや仮デザインが含まれている場合があります。帯の有無など実際と異なる場合があります。

【内容紹介】
Russell A. Poldrack、 Statistical Thinking Analyzing Data in an Uncertain World (2023) の翻訳
機械学習や再現可能性など使う側にとって今注意すべき視点を押さえ、統計学の基本を実データによる豊富な例とともに解説
実際の現場で適切に使うために、最初に読んでほしい1冊

【主な目次】
1.序論
2.データの取り扱い
3.データの要約
4.データの可視化
5.データへのモデルのフィッティング
6.確率
7.サンプリング
8.リサンプリングとシミュレーション
9.仮説検定
10.効果の定量化と研究のデザイン
11.ベイズ統計学
12.カテゴリカルな関係のモデリング
13.連続的関係のモデリング
14.一般線形モデル
15.平均の比較
16.多変量統計
17.実践的な統計モデリング
18.再現可能な研究の実践
19.参考図書

「訳者あとがきより抜粋」
2024年の夏、原著者のラッセル・ポルドラック(Russell A. Poldrack)氏が京都の私の研究室を訪れた際、「enshittification」という言葉が話題になった.これは、「クソ(shit)みたいになること」を大げさに名詞化したもので、SNSなどのウェブプラットフォームが、当初はユーザーに優れたサービスを提供していたにもかかわらず、徐々にビジネス顧客や株主の利益だけを追求するようになり、質が低下していく現象を指すのに使われている.この概念が興味深いのは、研究の世界でも「論文のenshittification」が進行しているからだ.信頼できる知識を生み出すことを目指していたはずの学術研究が、現在では論文を発表することが目的と化し、統計手法は形骸化して有意差を出すことのみに血道を上げる状況になっていないだろうか.
(中略)
孔子は「六十にして耳順う」と言った.これは、年を重ねることでさまざまな意見や考え方を素直に聞けるようになるという意味であろう.統計学は、データをねじ伏せて自分の望む答えを出させるための道具ではない.事前知識や仮定を持ちつつも、データの声に素直に耳を傾けることが重要である.また、孔子は「七十にして心の欲する所に従えども矩を踰えず」とも言った.これは、深い知恵や徳があれば、心の赴くままに行動しても道を外れることがないという意味であろう.統計学の本質は、硬直的な「作法」を機械的に適用することではない.研究者は自由に問いを立て、創造的に分析手法を構築し、新しいアプローチを試みるべきである.それぞれの研究分野が積み重ねてきた知見と統計的思考の本質を理解し、データから謙虚に学ぶ境地に達すれば、自由に分析を行いながらも信頼できる知識を生み出すことができる.そのような境地を目指したいものである.

※本データはこの商品が発売された時点の情報です。

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