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色彩から見た王朝文学 韓国『ハンジュンロク』と『源氏物語』の色/李愛淑/青山学院大学文学部日本文学科

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李愛淑青山学院大学文学部日本文学科
笠間書院
ISBN:4305707713/9784305707710
発売日:2015年03月



【内容紹介】
ハングル・仮名を獲得した女性は色をどのように描いたのか。
韓国の色彩文化への招待。

韓国の伝統的色彩についてのまとまった日本語の書物は展覧会の図録があるくらいで、ましてや韓国王朝文学の色についての研究は日本では紹介されていない。最新の研究成果を反映した貴重な講演録。

儒教に束縛され、理念で制御された漢字世界に生きる朝鮮王朝の女性にとって、男女の情の意味も含む〈色〉は、忌避し隠すべき対象であった。
しかし東宮妃の自己語りである『ハンジュンロク』は、ハングルを用いて色を感覚の次元で表現してみせた。
一方多彩な色の世界を描いた『源氏物語』では、色を観念的に捉える傾向がある。
両国を代表する女性文学が正反対の志向をみせることに着目。
日韓を横断し『源氏物語』を専門にする学者が、独自の視点を通して王朝文学に記された色彩の魅力を読み解く。

『ハンジュンロク』は惠慶宮洪氏(ヘギョングンホン、1735~1815)が、61歳になる1795年に書き始め、1805年に書き終わった、自己語りの王朝文学。夫である思悼世子(サドセザ、1735~1762)の悲劇的な死を、自己語りの形式で事実と虚構を混在させながら記した小説である。韓国の王朝女性文学を代表する作品。
作者は10歳の時、東宮妃として入内し、81歳で死去した。正祖(チョンジョ。イ・サン)の母であり、王妃に準じる身分で、全人生を宮廷でおくった。
『ハンジュンロク』は異本もあり、内容や構成も複雑なことから、自伝、日記、随筆、歴史小説、宮中実記文学とも言われているが、それこそジャンルを越境する作品である。
あまりにも劇的な時代を背景にしているがために、韓国ではしきりに演劇、映画、ドラマ化される作品である。

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