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地域産業の「現場」を行く 誇りと希望と勇気の30話 第9集/関満博

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関満博
新評論
ISBN:4794810407/9784794810403
発売日:2016年06月



【内容紹介】
日本の地域産業・中小企業は、一九八五年頃をピークに退出が目立ち、新規参入は極めて少ない。その主な要因は、対外的には周辺諸国の工業化(生産移管の進展・低価格品の輸入増)、そして国内的には日本の成熟化(事業家意識の低下)、少子高齢化(担い手不足・国内市場の縮小)ということになろう。
特に近年では、戦後から高度成長期にかけて創業ないし承継してきた経営者が引退の時期を迎え、事業的にも一つの盛りを過ぎたこと、さらに後継者を見通せないことから退出が顕著に進んでいる。このような傾向は、日本の製造業のアジア・中国進出が活発化した九〇年代中頃から強まってきた。一方、継続する事業者の多くは、新たな構造条件に対応できないまま縮小に身を委ねてきた。
それから四半世紀、すでに構造的なものとなった内外の諸条件を受け止め、新たな方向に向かおうとする地域産業・中小企業がようやく登場しつつある。いまや日本は成熟化を迎え、かつてのように量を追う時代ではなくなっている。また人口減少と高齢化の中で、これまでとは異なる課題が浮上する一方、従来は考えられなかった市場が拡がってもいる。「頑張れば成功する」という一元一次方程式の時は過ぎ、様々な条件=変数を考慮した上で多様性と質を追求しなければならない「連立方程式の時代」に入ったのである。
シリーズ九冊目となる本書では、こうした視点に立ち、「I 新規創業、新事業領域に挑戦」「II 伝統的な地域産業の未来」「III モノづくり中小企業の行方」という三つのテーマを設定した。各地の「現場」で、独自の新たな方程式を創出しようとする人びとに出会うことになった。戦後七〇年を迎え、国内的にも国際的にも大再編が起きようとしている中で、いかに道を切り拓けるか。それが現在の地域産業・中小企業の最大のテーマとなっているのである。(せき・みつひろ)

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