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無生物主語他動詞文の日中対照研究 大規模均衡コーパスと多変量解析を用いた新たなアプローチ/麻子軒
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- 商品情報
- レビュー
麻子軒
関西大学出版部
ISBN:4873547873/9784873547879
発売日:2024年11月
【内容紹介】
本書は、日本語と中国語における無生物主語他動詞文の成立要因を解明するための研究である。従来の研究では、角田太作による名詞重視のアプローチ(名詞句階層説)や熊鶯による動詞重視のアプローチ(他動性説)など、名詞と動詞を個別に分析する方法が主流であったが、本書では従来の分析手法とは一線を画し、「連語論的アプローチ」を採用し、これまであまり注目されてこなかった名詞と動詞の組み合わせに焦点を当てている。また、無生物主語他動詞文の文レベルと文章レベルでの成立要因を明確に区別し、それぞれを多角的に分析している。特に文章レベルでは、文脈展開と表現効果の二つの側面からアプローチし、先行研究よりも詳細な分析を行うことで、文の成立を左右する要素を新たな視点から考察していることに成功している。
本書の方法論においては、特にコレスポンデンス分析やロジスティック回帰分析などの多変量解析という統計的手法を駆使しており、内省的な分析では捉えにくい規則性を明らかにしていることが特徴である。これにより、文法の抽象的な概念を客観的かつ直感的に理解・記述することが可能となり、日本語と中国語の文法研究に新たな可能性を提供している。
さらに、本書では従来の対照研究における問題点を指摘し、それを解決するための新しい研究手法を提案している。従来の対訳コーパスや内省を用いる方法では、用例の偏りや訳者のバイアスによる課題が指摘されていたが、本書で採用されている手法では、言語使用の実態にもとづく大規模コーパスを利用し、言語間の根本的な違いを体系的に観察することができる。この点は、ビッグデータやAIの技術が進展する現代において、今後の言語研究に大きな意義を持つと言えるだろう。
この学術書は、大規模コーパスにもとづく実証的な記述方法と、多変量解析を中心とする計量的な分析方法を駆使し、複雑な言語現象の背後にあるパターンを解明し、理論と実証の両面から強固な結論を導き出している。日本語と中国語の無生物主語他動詞文の成立要因に光を当てるだけでなく、対照研究全般における新しい研究手法と理論の可能性も提示している。無生物主語他動詞文の研究における新たな基準を設定し、将来の研究においても重要な指針となるだろう。日本語学や中国語学、さらには一般言語学の学者だけでなく、言語の普遍的な特性に興味を持つすべての読者にとっても価値ある一冊である。特に、文系の研究者にとって馴染みの薄い統計的手法及びその解釈の仕方が参考になるだろう。
関西大学出版部
ISBN:4873547873/9784873547879
発売日:2024年11月
【内容紹介】
本書は、日本語と中国語における無生物主語他動詞文の成立要因を解明するための研究である。従来の研究では、角田太作による名詞重視のアプローチ(名詞句階層説)や熊鶯による動詞重視のアプローチ(他動性説)など、名詞と動詞を個別に分析する方法が主流であったが、本書では従来の分析手法とは一線を画し、「連語論的アプローチ」を採用し、これまであまり注目されてこなかった名詞と動詞の組み合わせに焦点を当てている。また、無生物主語他動詞文の文レベルと文章レベルでの成立要因を明確に区別し、それぞれを多角的に分析している。特に文章レベルでは、文脈展開と表現効果の二つの側面からアプローチし、先行研究よりも詳細な分析を行うことで、文の成立を左右する要素を新たな視点から考察していることに成功している。
本書の方法論においては、特にコレスポンデンス分析やロジスティック回帰分析などの多変量解析という統計的手法を駆使しており、内省的な分析では捉えにくい規則性を明らかにしていることが特徴である。これにより、文法の抽象的な概念を客観的かつ直感的に理解・記述することが可能となり、日本語と中国語の文法研究に新たな可能性を提供している。
さらに、本書では従来の対照研究における問題点を指摘し、それを解決するための新しい研究手法を提案している。従来の対訳コーパスや内省を用いる方法では、用例の偏りや訳者のバイアスによる課題が指摘されていたが、本書で採用されている手法では、言語使用の実態にもとづく大規模コーパスを利用し、言語間の根本的な違いを体系的に観察することができる。この点は、ビッグデータやAIの技術が進展する現代において、今後の言語研究に大きな意義を持つと言えるだろう。
この学術書は、大規模コーパスにもとづく実証的な記述方法と、多変量解析を中心とする計量的な分析方法を駆使し、複雑な言語現象の背後にあるパターンを解明し、理論と実証の両面から強固な結論を導き出している。日本語と中国語の無生物主語他動詞文の成立要因に光を当てるだけでなく、対照研究全般における新しい研究手法と理論の可能性も提示している。無生物主語他動詞文の研究における新たな基準を設定し、将来の研究においても重要な指針となるだろう。日本語学や中国語学、さらには一般言語学の学者だけでなく、言語の普遍的な特性に興味を持つすべての読者にとっても価値ある一冊である。特に、文系の研究者にとって馴染みの薄い統計的手法及びその解釈の仕方が参考になるだろう。
※本データはこの商品が発売された時点の情報です。


