く、 芳川未朋五行歌集/芳川未朋

芳川未朋
市井社
ISBN：4882081148/9784882081142
発売日:2012年02月

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【内容紹介】
歌集を読んで、新しい意味を持った完成度の高い歌がずっと続いていくことに、驚きを感じた。どれを見てもよく、一つ一つに今まで書かれたことのない魅力がある。それはどういうことかというと、彼女が何かを見ると、いままで人が見ていたのとは違った見方であり、違った意味が生まれ、そのうえ、人みながそのとおりに感ずるということである。
芳川さんの場合、何かに意味を感じるその鋭さが、並外れており、美学においても、ユーモアにおいても、真実においても、その意味深さが究極にまで達する。

こういう感性は、もちろん表現にも現れる。感じ方がユニークならば言葉もユニークに、初めて見るもののようになる。彼女の歌はそれを見事なまでにわからせてくれる。


蝉よ
地上は
うつくしいか
おまえの
ながい夢のそれより


これほどの歌になれば、美しさにおいて、短歌のいかなる名作にもひけをとらず、かつ真実性においてはそれにまさるだろうという気がする。
このような、いつの時代にまでも残るであろう歌がいくつかある。彼女の天職は詩歌であろう。
私たち五行歌人が、大きな誇りとともに、世に送り出す歌集である。
(草壁焔太氏跋文より)

斬新な装丁は、夫でデザイナーの吉川利夫氏によるもの。